私は少しだけ英語が話せる。
勘違いされると非常に心外だが、これは自慢でもなんでもない。

正確には
・中学二年生程度のボキャブラリーを組み合わせて
・英語圏の人と
・適度なコミュニケーションを取る事ができる
って事なんだけど、めんどくさいのでここは「話せる」としているだけの事。

海外旅行やその他で、英語で話していると、ナゼか分からねぇんだけどソレに乗っかってくる日本人がいる。友達でもないのに。
 

私を盾にするような形で私の後ろに陣取り、センテンスの要所々々で
「ねぇねぇ、今話してたの、コレコレこういう意味でしょ？」

とか言ってくる。

さらに、会話にちょいちょい口を挟んでは
「今の、過去完了だから have + 過去分詞 でいいんだよね。ね？」
「あのさ、『根に持つ』って英語でなんていうの？」
とか言い出す始末。

私は、高校ン時の英語の成績が『2』だったからそういうはのよくわからない。
英語を話すときに文法を気にしたことはない。
難しい単語が分からなくても、カタカナ英語を組み合わせれば大抵の事は説明できるしね。

そんな時、話し相手の反応を見ると大抵は苦笑いしている。会話があまり弾まないが無理もない。
向こうから見れば『外人』が連れ立って、そのうちの一人がカタコトの言葉で話し、事あるごとに母国語で何か言い合っている状態である。

そういうのってちょいと感じが悪いではないか。逆の立場であれば、少なくとも私はそのように感じると思う。

そして、英語云々の前に、『会話そのもの』がそれほど上手ではない私はそれをどうフォローしていいか分からない。

英語を話した事のある人なら分かると思うんだけど、英語で会話しているときに日本語をさし挟んだり、通訳のような事をするのは殊のほか大変である。
私程度の英語力では、英語を英語でしか説明できないし、日本語に変換なんかできない。
そもそも日本語で何かを説明する事自体が得意ではないので尚更である。

そんなこんなでこの『微妙な英会話教室』がハケた後、私の後ろに陣取っていた御仁（ごじん）から賜（たまわ）るありがたいお言葉と言えば

「いいね～まさかす君は、英語話せるから♪」
だって！

殴っていい！？ねぇ、こういう人ってグーで殴っていいんだよねっ！
どこの政党でもいいから、こういうバカどもをグーで殴っていい法律を作ってくれ。すげぇ支持するから（笑）

別に英語圏じゃなくたって、タイに行けばカタコトのタイ語で「サワディ　クラプ（こんにちは）」「コップクン　クラプ（ありがとう）」を連発するし、中国語圏に行けば筆談する。なんとか自分の言葉でコミュニケーションを取ろうとするのが普通ではないか。

ナゼ、この手の人達は他人の、それも微小な能力の上に胡坐をかいて平気で居られるのか不思議でならない。
やろうと思えば、アナタ方のその優秀な脳味噌をちょびっとでも使えば、何だって自分で出来るだろうに。

で、こういう人に限って私の神経を逆撫でするような事
「今日はまさかす君に通訳してもらったから飯奢るわ」
的な事を平気で言ったりするのである。

ブッ殺すぞ！マジで！

もし、私に対価を払いたければ、それは等価でなくてはならない。
あ、コレ微妙に『鋼レン』のパクリね。

メシは奢らなくていいから顔面をグーで殴らせろ。2回。

と、ながーーーくなってしまったが、このようなイライラは日々結構ある。つまりこの手の人達は世の中に結構居るのである。

こういう人達に限って、しれっと「世の中は助け合いだ、みんなで助け合おう！」みたいな事を声高に言うのである。あまりの都合の良さにヘドがどっぷり出る。

以上の文章を見ても、私が何にブチ切れているのか、分からない人もきっと多いのではなかろうか。
もしそうだとしたらそれはすごく残念な事である。

また、上記とは、似て非なるパターンだが、相応や、それ以上の対価を持ち、私の微小な能力を活用してくれる人もいる。

お仕事の関係がそれにあたるのだが、それについては本当に感謝している。上記と混同されるのは私の意図する所ではないので念の為ここに記述しておく。