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Power Macintosh G3 に Debian 【01.準備編】
Oldworld Macintosh + Debian で Linux サーバを作る | ||
Debian GNU Linux 3.1(Sarge) の OldWorld Macintosh (PowerPC G3 DT233) へのインストール
作成日:2007年3月18日
修正日:2007年4月22日
※2007年4月8日にDebian GNU Linux 4.0(Etch)がリリースされました。以下の方法では Sarge インストールを正常に完了する事ができません。
oldstable環境下での設定方法は
Power Macintosh G3 に Debian 【03.oldstable編】
を参照してください。
もくじ | ||
この文書の立ち位置 | ||
- 私が Debian をインストール、運用する時に、Linuxの設定を『誰かが実際にやってみた』系のホームページの情報が非常に役に立ちました。
なので私も凡例の一つとして、自身にとっては備忘録として、下記データを提示したいと思います。
検証系HPを立ち上げておられる諸方々、本当に有難うございます。
- 下記のデータはハードウェア、ソフトウェア共にその動作を保証するものではありません。
文章が『言い切り型』の所もありますが、その内容を保証しているわけではありません。
- インストール作業は個人の責任で行ってください。質問にもおそらく答えられない事が多いでしょう。
- 内容が不明な個所、誤っている個所など、ありましたら masacasu@aroundt.com へメールにてご指摘いただけたら幸いです。
なぜ Oldworld Mac なのか | ||
ウチでたまたま ベージュG3 が余っていたから。Windowsマシンはネットやゲームなど、使い道が豊富なのだが、古いMacだけは場所ばかりとってどうしようもない。でもこれが 自宅サーバとして使うには機能的に十分。あとひいきめに見てユースフルな事がちらほら。
- CPU が ファン ではなく ヒートシンク な事。そのままでも結構静か。電源を見直せばほぼ無音にもできるだろう。
- メモリがたくさん積める事。(最大640MB・・・たくさん、でもないか)
- もし壊れた時の代替パーツが安いのと、全く同じ物が手に入りやすい事。ヤフオクなどではいつも誰かが売っている。ヘタすると粗大ゴミで捨てられている。
(上2つの理由だけなら G4 Cube あたりが最適なんだけど、いかんせんパーツが割高。)
- 根拠はないが長期使用に割と耐えてくれる。電源点けッパな環境でタフに動いてくれる。私の使用した限りではMacのフリーズはソフトウェアあるいはメモリによる所が多いのではないかと思う。
- 足の小指ぶつける位しか使い道のないマシンがサーバになってくれれば万々歳。
でも自宅サーバするから Oldworld Mac を買うというほどのことは無い。全く無い。なんと言ってもサーバには Intel マシンが一番である。安価だし情報量も多い。でも Intel ならスグに出来ることが出来なかったりっていう所がちょっと楽しかったりもする。これが趣味が趣味たるゆえん。
なぜ Debian なのか | ||
元々、会社で Windows 2003 server standard でサーバ(主に IIS 6.0 による Web サーバ)を運用していたのだが、きちんとした運用を行うという事になると、とにかく『金がかかる』
まさかす: | 「社長~、DNSサーバとメールサーバ立てるんで Windows 2003 Enterprise server にしたいんですけど 25万ほど都合してもらえませんか」 |
まさかす: | 「社長~、データベースやりたいんで Microsoft SQL server にしたいんですけど 5万ほど都合してもらえませんか」 |
まさかす: | 「社長~、データ保守が心配なんでMicrosoft System Center Data Protection Manager 導入したいんですけど 15万ほど都合してもらえませんか」 |
社長: | 「う~ん、ムリ」 |
てな具合だったのでなんとかフリーソフトで運用。bind とか xmailserver とか MySQL とか システムツールのバックアップ とか。
諸問題をとりあえずクリアし、なんとか運用していたんだけどシステム構築が複雑になるにつれ、新たな問題が出てきた。Windows 2003 server でお客さんにサービスを提供しているので本サーバでは新たなシステムが検証できない。なにか新しいシステムを作ろうという場合、自宅の Windows 2000 環境で検証していたのだが、これを本サーバに適用すると上手く動かなかったりという事が増えてきた。Windows 2003 server をもう1つ買えばいいのだが、ソフト代の5万円も出せない会社にそんな物が買えるはずもない。
その頃、Webサーバ 自体も IIS から Apache に乗り換えていたのでもはや Windows server を使用するメリットが殆どなくなってしまった。システム復旧時等に configファイル の書き換えで対応できる Apache を知ってしまうともはや GUI操作 の IIS には戻れない。
GUI も、最初は分かりやすくていいんだけどね。
『近くのコンビニにわざわざ車とナビを使って行かなければならない』
的な煩わしさがある。
そんなわけで、インストールしようと思った Linux 。私の場合はディストリビューション選択の前にハードウェア(ベージュG3)が決まっていたのでまずは PowerPC 環境でさらに無償で導入可能なものとその長所を上げると
- CentOS
業界標準と言われる Red Hat Enterprise Linux の クローンOS。Fedora Core が頻繁にアップグレードするのに対し、こちらは安定性を重視した作りになっているとか。 Red Hat,Inc が管理に関わっているわけではないが、 Red Hat Enterprise Linux のソースコードよりビルドされているので Red Hat 9 などからの乗り換えも容易なんだそうだ。
- Debian GNU Linux
動作アプリケーション数、配布量、メンテナンス環境等が世界最大規模と言われる Linux ディストリビューション。ソフトウェアパッケージの管理が容易で、情報量が多い。
- Fedora Core
業界標準と言われる Red Hat Enterprise Linux の クローンOS。Red Hat 社後援のコミュニティプロジェクト Fedora Project が管理し、アップグレードも頻繁に行われるのでソフトウェアパッケージが割と新しいものを利用できる。フリーOSであった頃の Red Hat Linux からの移行者も多いので情報量も豊富。
- Net BSD
Unix 風 OS との事なので正確には Linux ではない。詳細は不明だが、Google などで検索してみると PowerPC への導入事例が多い。
- openSuSE
業界大手の Novell 社が支援するコミュニティプログラム。SUSE Linux Enterprise のフリー版とでも言おうか。企業向けの用途に耐えうるディストリビューションで、バックボーンが明確で、なおかつフリーのものを選ぶとなるとこのディストリビューションになるかもしれない。
- Vine Linux
国産の Linux ディストリビューション。インストーラからGUIベース、日本語対応も進んでいて初心者にも導入しやすい。まさかすが一発でインストールできたディストリビューションはこれだけ。
という感じだろうか。さらに、i386 環境と PowerPC 環境でバージョンのズレが無い(少ない)ものを選ぶと
- Debian GNU Linux
- Fedora Core
- openSuSE
- Net BSD
に絞られる。他のディストリビューションは PowerPC 環境での開発にやや遅れがある(2007年3月現在)。
4つの中で Oldworld Mac への導入事例の多いものを選ぶと、結果的に Debian に落ち着いた。インターネットで調べると Vine や Debian はコンシューマ向けのイメージが強いらしく「企業でのサーバ運用はやっぱ Red Hat 系じゃないと」と言う人もいるが、扱ってみるとそんな事はない。メンテナンスもパッケージの更新もしっかりしている。結局は「目的ありき」という所。もし仕事等で 「Red Hat 系の OS を使いなさい」という事であれば、その時に勉強しなおせばいい。
大筋で文句のつけようの無いディストリビューションであるがあえて難を言えば、ソフトウェアバージョンの古さであろうか。高性能のパッケージ管理システム apt だが、apt で簡単インストールできるソフトウェアのバージョンが古い為、結局ソースからインストールしなければならないという事がある。Fedora Core のようにソフトウェアが新しすぎて、管理が行き届かないという事もあるので、文句をつける筋合いのものではないのだけれど、実運用に耐えうるサーバを構築するのに半分位のソフトをソースからインストールしなければならないというのは、これいかに。でもこの問題点はバージョンを重ねる毎に少なくなっていく事だろう。
他のディストリビューションを検証するのがめんどいという事もあるが、今の所 OS を乗り換えようとは思わない。むしろ Debian 様々である。開発者、メンテされている方々、本当にありがとうございます!
準備するもの(必須) | ||
PowePC G3 本体 |
モニタ |
Mac OS 9 CD-ROM |
Debian/PowerPC_sarge CD-ROM |
インターネット接続環境 |
-
PowerPC G3 本体
ここではDT233改を使用
-
モニタ
ここでは Eizo Flex Scan L557 17インチTFT液晶 を使用
-
MacOS9 CD-ROM
CD起動、ドライブ設定、インターネット接続環境が使用できれば他のものでも可
-
Debian GNU Linux 3.1rX PowerPC Disk1 CD-ROM
ここでは3.1r5を使用
http://cdimage.debian.org/debian-cd/3.1_r5/powerpc/iso-cd/ より
debian-31r5-powerpc-binary-1.iso (637MB)のディスクイメージをCD-ROMに焼いた物
プライマリサーバからのダウンロードには当方の ADSL 8MB 環境で 5時間ほどかかりました。
また、今回はインストールには ftp を利用するのでネットワークインストールCD-ROM
debian-31r5-powerpc-netinst.iso (195MB)でもかまいません。
-
インターネット接続環境(インターネット回線とLANケーブル等)
準備するもの(できれば用意) | ||
Ethernetcard |
- イーサネットカード
オンボードのイーサネットカードは 10BASE-T なのでできれば 100BASE-T のものを使用したい。Webサーバでの使用なら 10BASE-T で十分だが、ファイルサーバとして使用するのなら 100BASE-T は欲しい。また、使用OSが Debian GNU Linux のみであれば、MacOS上で認識できないイーサネットカードでもよい。Debian Sarge からはかなりの数のイーサネットカードを認識するのでカード自体は何でも良いと思われる。心配ならば Linux Ready とか箱に書かれているものを選べばまず間違いないだろう。
準備するもの(その他) | ||
あると便利、程度。
USBカード |
Firewireカード |
-
USBカード
-
Firewireカード
検証時のハードウェア環境 | ||
-
本体
Powerpc G3 DT233(CPU換装、メモリ、VRAM、EthernetCard増設)
【CPU】
Powerpc G3 366MHz
【RAM】
512MB
【Openfirmware】
2.0f1(電源投入時に Alt + Command + O + F で確認)
【HDD】
80GB
【CD-ROM】
LG製DVD-Rドライブ GSA-H10N(純正CD-ROMドライブが壊れたので換装)
【VRAM】
6MB(2MB+4MB)
【イーサネットカード】
3Com製Ethernetcard:3C905C-TXM ETHERLINK 10/100 PCI
【USBカード】
PCI製:PX-220M(USB1.0 PCIカード)
【Firewireカード】
pci104c,8010(ノーブランドFirewireカード)
-
モニタ
Eizo Flex Scan L557 17インチTFT液晶ディスプレイ
-
ルータ
BUFFALO Airstation NFINITI Giga
Gigabit スイッチング Hub、無線LAN 搭載ルータ
-
ADSLモデム
NTT製 DSL ND ATUR-E2 8MB ADSL モデム